リノベーション住宅もデザイナーズ住宅も、「オシャレでカッコいいデザインの家」という点では共通していますが、それ以外で、両者は何か違うところがあるのでしょうか?
ここでは、リノベーション住宅とデザイナーズ住宅の意味を明らかにすることで、それぞれの違いを明確にしたいと思います。あわせて、リノベーション住宅とデザイナーズ住宅のメリット・デメリットの違いなども見てみましょう。
リノベーション住宅とは、簡単に言えば、自分の好み・ライフスタイルに応じて工事を加えた中古物件のこと。キッチンや浴室などの設備を少しだけ変更するリフォームとは異なり、リノベーションは、家全体の間取りや設計・デザインを大胆に変更する工事を指します。見た目だけではなく、断熱や遮音などの目に見えない機能性を高めることも、もちろん可能です。
実質的は家の建て替えに近い完成度になりますが、実際には建て替えではないので、コスト的にもかなりお得。ちなみに同じ条件の新築物件を購入する場合に比べ、トータルで20~30%ほど安くフルリノベーションすることが可能です。
リノベーション住宅のイメージをより明らかにするために、以下、リノベーション住宅の主なメリットとデメリットを2つずつ見てみましょう。
安全性に問題が生じない範囲で、基本的には自分のライフスタイルを全て反映させた自由設計・自由デザインの家を実現することができます。家族全員で家をデザインするプロセスもまた、楽しい思い出になることでしょう。
上述の通り、同じ条件の新築物件を購入することに比べ、約20~30%のコストダウンを図ることができます。「新築のような家を少しでも安く手に入れたい」という人には、ぜひリノベーション住宅をおすすめします。
1981年5月31日以前に着工した物件については、旧耐震基準に基づいて作られている可能性があります。旧耐震基準の物件は、大地震が起こった際に倒壊する恐れがあるので、リノベーションに先だって耐震工事が必要となることがあります。
トータルでかかるコストは新築物件よりも安めですが、リノベーション住宅の場合、工事部分にかかる費用については、住宅ローンではなくリフォームローンを利用することになります。一般にリフォームローンにかかる金利は、住宅ローンよりも高めになることを理解しておきましょう。
デザイナーズ住宅とは、デザイナーや建築家の発想によるコンセプト・こだわりを反映させた住宅のこと。あるいは、デザイナーや建築家の企画ではなくとも、単にデザイン性の高い住宅のことを、デザイナーズ住宅と言うこともあります。たとえば、コンクリートの打ちっぱなしの壁に囲まれたモードな雰囲気の家、という感じでしょうか。
デザイナーズ住宅には、明確な定義があるわけではありません。現代的なセンスを持ったオシャレな家を指し広くデザイナーズ住宅と呼ぶ、と考えてください。
以下、デザイナーズ住宅の主なメリット・デメリットについて2つずつ見ておきましょう。
デザイナーや建築家がデザインのコンセプトを考えるので、現代風のオシャレな家が完成します。友達や同僚にも自慢できる「格上の住宅」に住むことができるのは、デザイナーズ住宅の醍醐味です。
デザイナーや建築家との打ち合わせの中で、可能な限り、施主の要望を取り入れてもらうことができます。キッチンや浴室、屋上などの設備はもちろんのこと、デザイン自体の要望を聞いてもらえることもあります。
デザイン以外が同じ条件の住宅に比べ、デザイン料の分だけトータルコストが割高になります。実績のある建築家やデザイナーの場合、デザイン料が非常に高額となる場合もあるので事前によく確認しましょう。
家の外観だけではなく、設備や照明など、細かい部分も一つ一つ打ち合わせをする必要があるので、着工までに時間がかかります。加えて、こだわりのデザインを実現する工事である以上、工期も長めになります。家の引き渡しまでに長期間を要することは、デザイナーズ住宅のデメリットの一つでしょう。
以上、リノベーション住宅とデザイナーズ住宅の意味やメリット・デメリットをご紹介しました。
リノベーション住宅もデザイナーズ住宅も、ともに「オシャレな見た目」という点では共通しています。しかしながら、同じ「オシャレ」とは言え、リノベーション住宅は家主のライフスタイルや価値観をベースとしたオシャレ。対してデザイナーズ住宅は、建築家やデザイナーが表現したいオシャレ。それぞれ、全く違う発想での住宅であることがお分かりでしょう。
現代は、他人と同じような生き方ではなく、自分らしい生き方が重視されている時代。加えて、新築物件を建てるよりもリーズナブルであることから、若い世帯を中心に広くリノベーション住宅が注目を集めているようです。