ここでは、ヴィンテージスタイルのリノベーションについて、その定義やポイント、施工事例などについてご紹介します。洗練さと無骨さの両方を備えるヴィンテージの魅力。男女を問わず、また年齢を問わず、リノベーションでは定番スタイルの一つとして定着しています。
リノベーションに限らず、ファッションや雑貨などのアイテムでよく耳にするヴィンテージ。なんとなくイメージはできるものの、その言葉の正確な定義をご存知の方は、意外に少ないかもしれません。
ヴィンテージとは、もともと「ぶどうの収穫」を意味していた言葉。その後、ぶどうを収穫して醸造しワインにする年号を指すようになり、やがて様々な製品の製造年代を指す言葉となりました(ジーンズやギターなど)。 これら言葉の意味の変遷を経て、現代では、転じて「古くて洗練されたもの」「経年により価値が上がったもの」という意味で定着。近年では、リフォームやリノベーションにおいてもヴィンテージという言葉が定着したようです。
アメリカの関税に関する法律では、ヴィンテージとアンティークを明確に分けています。
なるほど、確かにヴィンテージよりもアンティークのほうが古い印象があります。 ちなみに、これらヴィンテージやアンティークとは異なり、レトロという言葉には明確な基準がありません。漠然と「古くて懐かしいもの」というイメージを指し、レトロと呼ぶようです。
ヴィンテージの最大の魅力は、何より経年変化による味わいの深まり。ピカピカの新築住宅も魅力的ですが、逆に、年数が重なることで深みが増したヴィンテージ住宅も、とても魅力的です。 新築注文住宅に比べ、ヴィンテージリノベーションをしたほうがコスト的に安く済む点も、ヴィンテージ住宅の魅力の一つとなるでしょう。
漠然とはイメージできるヴィンテージスタイルですが、実際にリフォームやリノベーションするにあたり、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。これらのポイントさえ押さえておけば、自宅をグッとヴィンテージのイメージに近づけることができるでしょう。
かならずしもヴィンテージのイメージとアメリカのイメージがセットになるわけではありませんが、一般にヴィンテージと言えば、やはり古き良きアメリカのイメージを思い浮かべる人が多いでしょう。
古き良きアメリカのイメージを表現するためには、壁や床などにレンガや無垢材を使うことがポイント。無垢材をおしゃれに塗装するのではなく、素材そのものの色を大切にしつつリノベーションすることで、アメリカのヴィンテージ風な印象に仕上がります。
家具や家具周辺に置くインテリアなどは、ヴィンテージ風のもので統一させましょう。すでにお持ちの古いものを再利用しても構いませんが、思ったようなイメージにならない場合には、ヴィンテージものを扱っている専門店で相談してみても良いかもしれません。 また照明については、あまり明るすぎないオレンジ系のものを選んだほうが良いでしょう。
部屋全体に使用する色については、あまり多くの種類を使わず、少なめの色で統一させたほうがヴィンテージ風にまとまります。ヴィンテージリノベーションで使われる色は、主に白や黒、ブラウン、シルバーなどです。 ただしシックにまとめたいあまり、黒やブラウンばかりを多用してしまうと、部屋全体が暗い印象になってしまいます。ほどよく白を交えたり、一部にビビットカラーを交えたりなどの工夫もしてみましょう。
さりげなくシックなゴールドを覗かせることで、部屋のヴィンテージ度が上がります。 シックなゴールドとは、ブラックやブラウンなどとミックスされた、やや暗めのゴールドのこと。壁の飾りや調理器具などに、ぜひシックなゴールドを交えてみましょう。
ヴィンテージリノベーションの施工事例を3つほど見てみましょう。
レンガを覗かせる壁と無垢材そのままの床、オレンジ系のやや暗い照明など、まるでヴィンテージリノベーションの教科書のような仕上がりです。基本をしっかりと押さえた見事なヴィンテージリノベ。
対面型のキッチンにポップな装飾。雰囲気のある2つのペンダントライトがキッチン周辺のステンレスを照らすなど、とても素敵なマッチングです。キッチンの背面にあるアメリカンな雑貨も良い味わいを演出していますね。
ヴィンテージ感を出しつつも、同時に高級ホテルの一室のような印象もある広めのリビング。照明を大胆に抑えることで、大人の落ち着いた雰囲気のヴィンテージ空間に。